07≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09
2005.08.06
 日本高齢者虐待防止学会の大会が東京都内で開かれ、さまざまな事例が報告され、経済的虐待、財産的侵害に関するものに関心が集まりました。それによると自立高齢者の6.5%、要援護高齢者の12.5%が預金や年金を無断で使用されたり取り上げられているとの回答が紹介されました。ここで重要なのは、相手は「家族を含む」のです。悪質業者だけではありません。家族からは他にも身体的、心理的虐待などを受けるといった深刻な実態が改めて浮かび上がりました。

 また、認知症の資産家夫婦の財産を、娘が成年後見制度を悪用して独り占めしようとした例もあり、成年後見制度の運用にも実効性のある監視が必要という訴えもありました。もともと家庭裁判所は自ら、あるいは必要に応じて成年後見監督人を選任して成年後見人を監督させたり、問題のある後見人等を解任したりということが出来るはずですが、マンパワーその他事情により、なかなか個々のケースに密接に関わってゆくは現状難しいのでしょうか。

 先日、衆議院に提出された高齢者虐待防止法に盛り込まれた早期発見のための通報義務や、介入のための立ち入り調査権、虐待者への支援は、その辺の隙間をなるべく埋めるようになる、と期待されています。また一足早く成立した改正介護保険法で市町村が設置する包括支援センターが虐待の防止や早期発見、権利擁護も担当するなど、現場での取り組みは着々と整備されつつあるように思われます。

 しかし、これらの問題は幼児虐待と同じように家庭環境その他、虐待が起きやすい歴史的、個別的事情に原因の大半があり、インフラや社会福祉の仕組みの整備だけでは解決しないことは明白です。救済、緩和は出来るかも知れませんが「撲滅」は難しい。本当に我々が考えなければならないのは、そういったことにならない社会を作り出すこと、当事者の心理をそのようにさせないためにはどのようにしたらいいか、ということを考えることではないかと思います。

 守るべき人を守る人々もひっくるめてみんなで守る。
 
 難しいですか?
 
 不可能などというのは、あきらめた人が勝手に作った言葉です。